市民のための薬と病気のお話
セカンドオピニオンってなに?
セカンド・オピニオンとは、どういう意味なのでしょうか。わかりやすく、説明して下さい。
セカンド・オピニオンとは、直訳すれば、“第2の意見”です。医療で使われる時には、現在あなたが診療を受けている病気の、おもに今後の治療方針について、主治医以外の第2の医師の意見を聞くことです。当然、第2の医師は、近くの病院の専門医や、場合によっては、全国的に高名な他の地域の医師などが考えられます。たとえば、がんの治療の場合、抗がん薬で治療すべきか、手術をすべきか、抗がん薬治療を選ぶなら、どの薬剤で行うべきかなど、必ずしも統一した見解(エビデンス)が出ていない場合があり、内科と外科で意見が異なる場合もあります。この意味で最終的に御自分がどの治療を受けるかを決める際、セカンド・オピニオンは有意義です。
この時重要なことは、現在の主治医から今迄の病気の経過やデータの情報をもらって、それを持参してセカンド・オピニオンを求めることです。そうでなければ、セカンド・オピニオンを求められた医師も一般的な説明は出来ますが、あなたの場合何が最も適切かについての意見は言えません。患者様の中には主治医にその様な情報の提供を求めることは失礼にあたる或いは気を悪くされるのではと思われる方もあることでしょう。しかし、医師の間でもセカンド・オピニオンについての理解はひろまっていますので、通常は、了解を得られるものと思います。
但し、セカンド・オピニオンはあく迄今後の治療についての意見を求めるためのものです。今迄受けた診断、治療が正しかったかどうかの判断を求めたり、転科・転院を希望して受診することは、控えて頂く様お願い致します。また、セカンド・オピニオンには30分、場合によっては1時間位はかかりますが、保険診療という面では初診料の請求位しか出来ない不採算診療になりますので、自費診療で完全予約制になっていることも多く、あらかじめ確認の上、受診されることをおすすめします。
(回答者:上田孝典)